廣瀨眞知子さん(2021年度油絵学科 日本画コース卒業)より、ご自身が立ち上げた日本画研究会(兵庫県姫路市)について、リポートをいただきました。「地域のコミュティをデザインする」というムサビ通信の授業での学びが、この活動の源となったということです。そして現在も学びを続けられています。
■活動の目的、意義
私は2022年3月に武蔵野美術大学 造形学部 油絵学科 日本画コースを卒業し、現在は京都芸術大学 大学院 美術・工芸領域で日本画を学ぶM2生の廣瀨眞知子と申します。
本学卒業後、居住地の近隣にある公民館で月1回の日本画研究会を開いています。私は本研究会の発起人であり、世話人を務めています。2022年2月にこの研究会を立ち上げ、翌月の3月から活動を始めました。開設当時は会員5人でしたが、現在は11人で活動をしています。
会員の内、私を含め5人は共に姫路市生涯大学校の日本画講座で学んだ仲間で、卒業後も学びを継続するため、いくつかの市民センターの講座や画塾を下見しました。しかし、受講料や教室の雰囲気など適切な条件で学び続けることができる場が見つからず、困っていた時、研究会を立ち上げようと思い立ちました。
そのきっかけとなったのは、ムサビ通信に在籍中、コミュニティデザインを教えていただいた「デザイン入門」の授業でした。地域のコミュニティをデザインするというかつての学生体験を紹介していただいたことがヒントになりました。
本研究会で学ぶ方々の年齢は20~80歳代までの男女11人です。絵画を通じて集まった仲間が、互いに切磋琢磨して、制作技術を進化させていくことは、とても楽しいことです。更に仲間がいるから描けるという意識がコミュニティでの交流を深め、生きがいに繋がっていくことを今後に期待しています。1か月に1回仲間に会って、時には世間話をしながら、制作過程上の悩みや問題を提起しあい、解決につなげていくことは意義のあることだと考えます。会員(80歳代)の女性は、「私が、絵を描くことが好きだということをここではじめて知った。」と言っていただいたとても嬉しい言葉が印象に残っています。
■活動の内容
月1回の活動で、第4火曜日の午後(13:00~17:00)、公民館の会議室を借りて活動しています。描くモチーフは専ら自由で、自身が選定します。中には焼き物に絵を描いたり、水彩画、デッサンをしたりもしています。他には屋外写生会、屋内でモチーフを定めた写生会、運筆なども計画しています。
費用は教室使用料(1回810円)を全員で負担する仕組みで、1年約1000円を集金しています。
しかし、この研究会には指導者はなく、絵画制作を志す者が集まり、絵を描くという形式ですので、制作後に約30分の合評会を開いて、制作上の悩みや課題を提起し、参加者全員で考えるというスタイルです。
■ムサ通の会のみなさまへ
本会員の方々が同様に話されていることは、絵を描く仲間と共に描く機会や場所があることが絵画制作を継続できることの第一歩である、ということです。
同窓の皆さまには大変僭越ですが、学んだ知識や技術をさらに進化させていきたいと願っております。何かアドバイスをいただければ光栄です。
最後になりましたが、今日の私どもの活動をささえるのは、本学の日本画コースでお世話になった先生方をはじめ諸先生方の温かく懇切丁寧なご指導によるものです。心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
※研究会の風景 2023.7.26(火)
※研究会のみなさんの作品
地域での活動には、その地域特有のものもあれば、共通のものもあります。みなさんの活動のご報告から、さらに発展させられるヒントが得られるとよいですね。
皆さんの活動のリポートやメッセージを是非お寄せください。