「musa2 アート&デザイン展」通信Vol.6

10月10日より開催してきた「musa2 アート&デザイン展」もいよいよ14日に最終日を迎えます。東京の天気予報は午後は雨が上がるそうです。ぜひお出かけください。出展者の太田さんからのコメントをお届けします。

■太田守重さん(デザイン情報学科/2012年度卒)
私は2012年度にコミュニケーションデザインコースを卒業しましたが、非常勤講師をしないかというお誘いがあり、現在情報システム基礎1の講師を勤めております。確かに情報システムの開発については、過去にいささかの経験はあるつもりですが、展覧会への出展についてはほとんど経験がありません。今回は、自分の殻を少し破ってみたいと思い、参加させていただきました。従って準備についても不慣れであり、慣れている方々の動きひとつひとつを見るにつけ、勉強になっております。

プログラムによる繊細な線で三つの形を描き出した太田守重さん。

私の作品のタイトルは『All the same』です。「どれをとっても、みんな同じさ」というほどの意味で、暗い背景の上に、糸くずでできているような丸と三角と四角を配置したコンピュータグラフィクスのインクジェット出力です。
江戸時代の禅僧で仙厓という方がおられたようですが、その方の有名な書に、『丸・三角・四角』と呼ばれているものがあるのは、ご存知かもしれません。実際三つの図形が筆で一気に描かれているだけのものなのですが、その意味については、未だ定まっていないようです。般若心経にある色不異空、つまり「見えるように思えても、それは空とかわらないのさ」からすれば、丸も三角も四角も空であり、みんな同じということになります。これは人や組織や町や自然にも当てはまることでしょう。私はそのように解釈しました。この作品では、全く同じアルゴリズム(プログラムの手順)で、異なる図形を描いて「みんなおなじ」を表現しています。
さて、ムサ通の会がこのような機会を提供してくださるのは、ありがたいことです。我々卒業生にとっては、作品を発表する場になり、親睦の場になります。在校生や、武蔵美の通信教育課程に興味をもっている方々にも来ていただけたらいいな、と思います。そしてゆくゆくは、先生方の講評なども伺えたらいいな、とも思います。私も、再度このような機会があれば、一人の卒業生としてチャレンジしたいと思いますので、よろしくお願い致します。


形はちがっても卒業してさらなるチャレンジができるのは、ムサビ通信の『All the same』かもしれませんね。ちょっとこじつけさせていただきました。

「musa2 アート&デザイン展」
会場:小金井アートスポット シャトー2Fギャラリー
会期:10月10日(水)〜14日(日) 12:00~18:00